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知っ得コラム

土地と道路の関係

こんにちは。

前回は「相続」についてお話ししましたが、今回は、もっと身近な、自分が所有する、または将来購入しようと思う「土地」に注目してみたいと思います。

現在自分の家を建ててお住まいの方は、自分の土地の価値を正しく知ることで将来設計に役立てていただけますし、現在土地をお探しの方も、知らないままで土地を買ってしまい大損することのないよう、是非読んでみてくださいませ♪

 

いざ家を建て替えようとなったとき、または売却しようとなったときに、まさか自分の土地が「家が建てられない土地」だなんて思わないですよね。 

でも、実際に建て替えができない土地というのがあります。

それは、敷地と接する道路と大きく関係しているのです。

 

◆家を建てられる条件とは

家を建築するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 敷地が道路と接していること
  2. 道路に接している間口が2m以上であること

 

この条件を満たしていない例を図にして説明すると・・・。

出典:suumo

図1の場合は、道に接してもいないので再建築不可なのは明白です。

図2の場合は、道路に接してはいますが、「接している間口の長さが2m以上なければならない」という条件を満たしていないので再建築不可となります。

 

◆その道路、道路ではないかも!!

また、道路に接しているから安心と思っていたら、実はその道路は、建築基準法上の「道路」の条件を満たしておらず、再建築不可となることもあるのです!!

県道や市道であれば道路であることに間違いないので心配無用ですが、普通に車が通行する道路に見える道でも建築基準法上の道路でない場合があります。

もし気になられる場合は、熊本市にお住まいの方でしたら熊本市役所11階の建築指導課の窓口備付のパソコンで調べることができるので、一度調べてみられるといいでしょう。

熊本市以外の方の場合も、役場の建築指導課または土木課にお問合せ頂けば調べることが可能です。

また、熊本市、八代市、天草市以外の地域の方の場合は、各広域本部景観建築課において、建築基準法に規定する道路に該当するか否かの判定を行っており、Fax・メール等でも相談を受付ているそうです。

<建築基準法上の道路の種別>

①第1号道路は、国道、県道、市道ですからわかりやすいですね。

②第2号道路は、開発のために新設された道路で、分譲地内の開発道路がこれに当たります。

開発道路は市町村に移管され、ゆくゆくは1号道路となるものもありますが、私道のままということもあります。私道のままの場合、土地を所有する個人で維持管理が必要です。共有者がいる場合は、私道持分が設定されます。

③第3号道路は、昔からある4m以上幅がある道路です。公道・私道どちらの場合もあります。

④第4号道路は、計画道路で2年以内に事業が施行される道路です。

⑤第5号道路は、一般的に「位置指定道路」と呼ばれ、宅地分譲の際に作られた4m幅の土地の所有者の私道です。土地を所有する個人で維持管理が必要です。共有者がいる場合は私道持分が設定されます。

⑥第2項道路は、一般的に「2項道路」と呼ばれ、4m未満の道路なので、家を建て替える際は、道路が4mの幅になるまでセットバック(敷地後退)をしなければなりません。セットバック分の面積分も土地の代金はかかっているのでその分損ということになります。

<セットバックの例>

この図の場合、道の両脇に家があるので、道路の中心線から測って4mになるようにセットバックが必要になります。道路は3mですので、4mにするためには50cmずつ敷地後退が必要です。

もし、道の片方が崖だったりして家が建てられない場所の場合は、道路の端から測って4mになるまでセットバックする必要があるので、1mも敷地後退して家を建てなければならなくなります。

 

<私道持分について>

建築基準法上で「道路」ということがわかったとしても、その道路が私道であった場合は、共有持分が設定されており、「全体の面積の比率で持分が決められるケース」と、「道路の中の一定の部分の所有者が決められているケース」があります。

維持管理を個人でしなければならない点と、共有部分の道路の固定資産税の支払いが発生する点が公道の場合と大きく異なります。

持分があればまだいいのですが、ずいぶん前に私道持分が設定された後、相続や売買があったりしてどういうわけか私道持分がなくなっている場合もあり、いざ土地を売却するというときに通行の権利や工事の際の掘削承諾を取らなければならず、簡単に売却できないという問題が発生したりすることがあります。

道路の所有者を確認するには、法務局で道路部分の「公図」を取り道路の地番を確認した後、その地番で土地の「謄本(所有者事項証明書)」を取ってみると所有者とその持分を確認することができます。

 

◆まとめ

土地または中古住宅を購入する上で、土地に接する道路がいかに大事なのかお判りいただけたでしょうか?

土地や中古住宅を売買しようとするとき、宅建業者が売主だったり仲介に入っている場合は、きちんと接道の状況や私道持分の問題についても説明をして売買を行います。

宅建士が説明することを義務付けられている「重要事項説明書」にも接道に関するチェック項目がありますし、私道負担も記載するようになっているので安心です。

しかし、土地売買は個人間でもできますので、そういう場合に今までお話ししたような道路についての知識がないと、「家が建てられない土地を購入してしまう」ことになりかねませんのでくれぐれも注意が必要です。

既に家をお持ちの方も、自分の土地の接道状況や私道持分について正しく知っておくことはとても大事です。

将来、建て替えをしたり、子供に贈与・相続するということが必ず起こってきます。その時に慌てなくて済むよう、早め早めに所有不動産について関心を持って調べておきましょう。

中央住建不動産では、今お住いの家や所有する土地・家屋の接道、私道持分についてのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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