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不動産ブログ
不動産と固定資産税のお話
特定空き家と認定されると固定資産税6倍増!
耕作放棄地(遊休農地)の固定資産税は耕作地の1.8倍増!
コロナ渦での東京オリンピックはなんとか無事閉幕となり、現在、感染拡大で開催が危ぶまれていたパラリンピックの競技が次々と行われています。
いろいろ紆余曲折ありましたが、なにより日本選手の更なる活躍に期待したいところですね。
さて、皆様ワクチン接種はもうお済みでしょうか?
私はというと、潤沢にあると言われていたワクチンが、急に実は足りないという報道が流れ、慌てて予約を取ろうと動いた時には予約受付が一時中断している状況で困惑しましたが、その後無事予約が取れ、なんとか二度目の接種を終えられました。
その後ワクチンが無事供給されたようで、最近ではすんなり予約も取れるようになっているようですね。
ありがたい話ですが、空きが出ている病院を探して休暇を取ってまで予約を取った身からしたら、ちょっと拍子抜けしてます。
こんな風に私たちの生活は、政治や経済の関係でかなり振り回されるものですよね。
不動産に関しても同じです。
不動産にまつわる法改正が知らないところで進んでいるという話は前回「相続登記の義務化」というテーマでお話ししましたが、他にも近年、空き家や耕作放棄地(いわゆる遊休農地)の取り扱いについて法改正があり、勧告を受けた場合に固定資産税が大幅にアップすることになったのです(!)
今回は、この固定資産税をめぐる法改正について詳しく見ていきたいとおもいます。
① 特定空き家と認定されると固定資産税が6倍に!
~空き家対策特別措置法 :平成 27 年 2 月 26 日施行~
相続などで譲り受けた家があり、誰もその家に住まない場合、その家は「空き家」になります。
「空き家」でも固定資産税を払わなければならないわけですが、家が建っていると、更地の6分の1の固定資産税で済むので、家が建っている分税金は更地に比べると少なくて済むのですが、時々建物の換気を行ったり、庭の草取りや樹木の剪定などを行ったりして適切に管理しないと家や宅地はどんどん荒れていきます。
荒れた空き家は、近隣の景観を損なうばかりでなく、臭いや害虫が発生したりして近所に迷惑をかけ、苦情の元になったり、ひとたび大雨や台風などが起こると、飛来物の危険や最悪、家が倒壊するなどして近隣の住民に被害をもたらす可能性も出てきます。
そればかりか、空き家は不審者が入り込んだりして犯罪の温床になったり、不審火がおきたりいろいろなリスクを生じさせるものにもなります。
少子化に伴い、このような問題が日本各地に多発し社会問題となったことで、平成27年2月「空き家対策特別措置法」が施行されることになりました。
市町村長から特定空き家と指定されると、固定資産税が更地と同じ税率が課される(=今までの6倍に)決まりとなったのです。
~特定空き家とは~
空家のうち、放置することが不適切な状態にある建物(その敷地を含む)をいう。倒壊等著しく保安上危険となる恐れ、著しく衛生上有害となる恐れ、著しく景観を損なっている状態などがこれに当たる。
市町村長は、特定空家等の所有者等に対して、除却、修繕、立木竹の伐採など周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置を取るよう助言、指導することができる。さらに、助言、指導にもかかわらず状態が改善されない場合には、勧告、命令を行なうこともできるとされている。
また、勧告の対象となる特定空家等の敷地については、固定資産税・都市計画税の課税における住宅用地の課税軽減措置の対象から除外される。
情報提供(株)不動産流通研究所「R.E.words」
そうなると、今後住む予定のない家を相続したら、家がまだきれいなうちに早めに売却するほうが得ということになります。
でも住み慣れた実家を売却するのは躊躇するし、そんな簡単に割り切れるものではないですよね。
実際問題、仏壇はどうしようとか、家財道具をどうしようとか、物理的にもそんな簡単ではなさそうですしね・・・。
簡単に決められない問題ですが、家族で集まったときに、先送りにすることなく将来的な話し合いをしておくことも大事なことかもしれませんね。
私も子供がいますが、親の立場で考えると、将来家を売却するにしろ子供が戻って来るにしろ、子どもに迷惑をかけないように断捨離して物を減らしておかなきゃなあと思った次第です。
さて、いざ売却!という決断をした場合に、売却を後押しする法律も平成28年4月に創設されています。
「特定空き家に係る3000万円の特別控除」とうものですが、端的にいうと「空き家」を売った譲渡所得には税金がかかりますが、その譲渡所得から3,000万円を差し引くことができるというものです。
例えば・・・。
控除があるとないとでは609万円も差がでることになるのです。
こういう法律を知っているのと知らないのとでは大違いです。
急なことに慌てることのないようにしたいですね。
私などは、自分の家の固定資産税ですら引き落としにしているせいか、普段あまり意識して払っていないので、急に親の家を相続することになったら慌ててしまっていたかもしれません。
ただ、最初に申し上げた通り、政治や経済の状況に応じて法律は改正があったりと度々変わります。
この特定空き家に係る3000万円の特別控除も、特例になっているので今後延長になったり、逆に廃止になったりすることも考えられます。
「相続」は避けては通れない問題ですから、今後注視していきたいと思います。
②耕作放棄地(遊休農地)の固定資産税は耕作地の1.8倍増!
今度は、「宅地」ではなく「農地」の問題です。
対象になるのは耕作放棄地=耕作していない農地になります。
しかし、「農業振興地域内の遊休農地に限られる」と定義されているので、市街化区域内に農地を持っているという場合は、対象になりません。
どういったものが遊休農地に該当するか?
農業委員会と農地中間管理機構との協議の上で、遊休農地として勧告を受けたものとなります。なお、農業振興地域内の農地に限られます。
農業振興地域とはどんな地域なのかというと、
農業振興地域(のうぎょうしんこうちいき:農振地域)は、農業の振興を促進することを目的とする地域で、 農用地区域とその指定を受けない区域(農振白地地域)に分かれます 。 振興(しんこう)とは産業を盛んにするという意味で、農業を拡大する地域といえます。
参照: iqrafudosan.com/channel/nouyouchi
では、どういったものが勧告をうける可能性があるかとのことですが、読んで字のごとく、「遊休となっている農地」です。
農地として市区町村で課税がされているが、実際は農地ではなく、空き地や資材置き場等、他の用途として利用しているような場合を指すと思われます。
平成28年税制改正において、耕作放棄地である農地の固定資産税の増税が決まり、通常、農地に関する固定資産税は、「正常売買価格×限界収益修正率0.55」を計算の基礎として計算されていましたが、今回の改正により「×限界収益修正率0.55」を乗じないこととなりました。
よって、
1÷0.55 =1.8181 となり、約1.8倍になるという計算になります。
まずは、ご所有の農地が「農業振興地域内」の農地なのかを確認されてみるといいですね。
農業委員会は、熊本市の場合下記にお問い合わせください。
熊本市農業委員会事務局 西南分室 熊本市農業委員会 富合・城南分室
西区役所 別館1階 南区役所 城南まちづくりセンター2階
096-329-1179 TEL:0964-28-3211
熊本市農業委員会事務局 北区分室
北区役所3階
TEL:096-272-6908
他の市町村の場合は、市役所・町役場内に農業委員会が設置されていますので、まず役場にお問合せ頂くといいと思います。
合志市農業委員会 大津町農業委員会 菊陽町農業委員会
合志市役所内 大津町役場 菊陽町役場
TEL:096-293-6686 TEL:096-232-4924
中央住建不動産は、売買専門で20年以上営業しており共有事案も多く取り扱って参りましたので、共有不動産の解決策のアドバイスが可能です。
他にも、県外にお住まいで空き家の管理に困っているなどというご相談も承っております。
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